大山ハッピーロードってどんなところだろうか?ということから始まった9月下旬の小さな旅。それが、気が付けば石神井川を上る旅に変わっていた。
自分はあることに身をゆだねて冒険して、精神がドライヴしてくるとどんどんと脱線していく。いつも当初の目的から逸脱して、全く予期していない場所まで行ってしまう。歩いていても、室内で絵を描いていても、仕事していても、必ずそんな道をたどる。自分の分裂気質がなせるワザ。
だが、一方では、こういう解釈はこうして後から振り返るから言えることに過ぎない。その瞬間・その瞬間、興味がある方向に進んでいけば、必ずこういう流れになるはずだ。異常ではない。そう言い聞かせ、そのときそのときを大事にしている。
石神井川を上る道には、元々何だったかのか?不思議な一帯が現れる。
地上げでまとめた土地を一帯開発してマンションを建てたのだろう。川端に現れた「しらじらしい」「こぎれいな」マンション。その谷間に元々あったのだろう、手つかずで放置され取り残された小屋。大竹伸朗さんじゃないが、色を塗って作品にしたい魅力的な小屋の風体。
蛇行する石神井川を歩いていくと、金沢橋で王子新道と再び交差した。そこからしばし石神井川を離れ、王子新道を進む。少し行くと目の前には踏切。板橋と十条の真ん中、そのJR埼京線の踏切を渡った。渡る際少し線路の先を視線でたどると、そこにはサンシャイン60があり、ホッとする。
渡ると急こう配の上り道に変わる。橋を渡った途端、そこは「北区滝野川」。
今では細かい住所の確認が早々取れないけれど、亡き母が生まれた場所。親しみのある場所。少し行くと王子神社。そして懐かしいデザインの街灯が現れる。三ノ輪生まれの自分には、昭和から変わらないと感じさせる数少ない風景。
都電荒川線と並んでスロープの坂道を王子駅まで下る。
そして、駅まで来ると、再び石神井川に出会う。どこか温泉街のような川岸と水面までの切れ込み。
帰りは三人で再びお茶を飲み、ピザを少しつまんでから解散した。
昔からおなじみのバスロータリー、そして、サンスクエアは健在だった。