夏の100曲 : ホルガー・シューカイ「ペルシアン・ラヴ」
夏といって思い出す1曲に、ホルガー・シューカイの「ペルシアン・ラヴ」がある。 彼が亡くなったのは、2017年9月5日のこと。79歳だった。 彼の最期の活動には親身ではなかったが、i-Tunesには常に彼の曲がある。 彼が所属したカン、可愛らしいソロ作品、ジャー・ウォーヴルやデヴィッド・シルヴィアンとの共演など、素晴らしい作品は多い。 同じ時代を一緒に過ごした、ホルガーおじさんとの日々・・・。...
View Article夏の100曲 : クリス・レア 「シャムロック・ダイアリーズ」
クリス・レア、というと、「オン・ザ・ビーチ」が出てくることが多い。 確かにヒットした代表作の1つは「オン・ザ・ビーチ」だが、もっと素晴らしい作品は色々ある。 「シャムロック・ダイアリーズ」もその一つ。 この声の渋さ。。。 クラプトンやエルビス・コステロなど、十代の頃、渋いだけではあまり心が動かなかった自分が、この人の歌にはつい聴き入った。...
View Article夏の100曲 : エア・サプライ 「ロスト・イン・ラヴ」
外はむごい猛暑。 そんな夏でも涼しい気分になる一曲。 今朝は久しぶりに、この7インチシングルをレコードプレイヤーで聴いた。 ■Air Supply 「Lost in Love」'80■ 中学生の頃、毎週土曜の昼はFM東京の「ポップスベスト10」を聴いていた。 まるで通信教育みたいに、聴きながらノートに10位から1位へと曲名・演奏者をつけていた。 そこで、こういった曲たちと出会えた。...
View Article夏の100曲 : アリ・トムソン 「恋はリズムにのって」
エア・サプライを知った同じ1980年。 夏にはこんな風のようにさわやかな一曲もヒットした。 ■Ali Thomson 「Take A Little Rhythm」'80■ 疲れ果てて 気が滅入ったら そして 人生って何だろう?って思った時は そう例えば 夢に破れて 落ち込んだ時には 独り腰をおろして ただ 音楽に身をまかせなよ リズムに合わせて リズムにのって ほら あの甘く優しいメロディを...
View Article夏の100曲 : ジョニ・ミッチェル 「夏草の誘い」
ジョニ・ミッチェルと夏は決して結び付かない。 むしろ、秋、冬、春と密接につながっている。 ・・・という言い方も、実は違って、ただ単に近年の夏が、過去あったはずの夏ではなくなっている、せいかもしれない。 アルバムタイトルに「サマー」が付くもの・・・と、今日取り出した「THE HISSING OF SUMMER LAWNS(夏草の誘い)」。 それをCDから取り込んだi-tunesで聴いていた。...
View Article夏の100曲 : ドゥルッティ・コラム「フェイバリット・ペインティング」
ドゥルッティ・コラム/ヴィニ・ライリーの音楽は、色彩的で映像的世界を想起させる。 たくさんある好きなドゥルッティ・コラムの曲を、勝手に四季折々の中に、「この曲は春、この曲は夏、、、」と、各々あてはめて聴いてきた。 「フェイバリット・ペインティング」は春・夏・秋いずれの季節にもはまる。 ただ純粋に美しく、サラッと流れていってしまう面があるから、...
View Article夏の100曲 : ドゥルッティ・コラム「リップス・ザット・ウッド・キッス」
ドゥルッティ・コラムは元々パンクの出身。 ヴィニ・ライリーの美しく、悲しみをたたえたギターサウンドは、誰かのギターを参考に練習の末にできたものではない。 独自な音楽を目指して、というよりも、思うがままかきむしるように弾いたところから、そのスタイルが出来上がったものと思われる。 彼の初期シングルに「リップス・ザット・ウッド・キッス」という名曲がある。...
View Article夏の100曲 : 清水靖晃「セミ取りの日」
正直なところ「夏の100曲」という夏休みの課題を挙げて、書き出したのが遅かった。 イーノがかつて言っていた言葉を借りるならば、周囲がすごい速度で動きすぎている。 奇妙な夏だったんだよ、今年は元より、、、と言い訳しても、時は早く通り過ぎる。 お盆はとうに過ぎ、昔なら宿題どうしよう、と泣きが入っていた8月31日は目の前に来ていた。...
View Article夏の100曲 : レイン・トゥリー・クロウ「レッド・アース」
元々ジャパンの熱心なファンだったが、この作品は毎年、夏から秋に聴いてきたことが多い。 一曲目のノイズ音〜正確に刻むドラム、、、この入り方。 ここから始まるアルバム「レイン・トゥリー・クロウ」は、全曲通してなめらかに聴けるため、何周もループしてしまう。 謎のバンド(?)レイン・トゥリー・クロウは、ジャパンと同一の4人がメンバー。...
View Article夏の100曲 : 高橋幸宏「青空/永遠の夏」
夏から秋への入り口には、このシングル盤を思い出す。 A面「青空」は、JRA競馬のCMにも使われた曲。 B面「永遠の夏」は、アルバム「MR.YT」で「In This Life」として、英語で歌われている曲の別バージョン。個人的には、この日本語で歌われた「永遠の夏」のほうが好きだ。 *** 振り返ってみると、あえて日本語を歌う曲がより多く入った作品「薔薇色の明日」が1983年。...
View Article夏の100曲 : チャイナ・クライシス 「ヒア・カム・ア・レインクラウド」
チャイナ・クライシスにも夏らしく眩しい曲がたくさんある。 2人にとても共感を覚えるのは、国は違えど育った環境や感覚に近いものがあるんじゃないか?と思える点が多いからである。 それは一方的な想い入れや妄想だが、「Here Come A Raincloud」を聴いていると、屋根に乗って街の姿を一望してきた二人の少年の様が勝手に見えてしまう。 ■China Crisis「Here Come A...
View Article夏の100曲 : ジャー・ウォーブル/ジ・エッジ/ホルガー・チューカイ「スネーク・チャーマー」
ホルガー・シューカイ先生の関連作品として、スネークチャーマーという1983年の作品がある。別に夏である必要はないのだが、パーカッシブな音が心地良いこの作品を、この夏久々に聴いていた。 プリミティヴな木彫り風デザインのジャケットに、演奏者の文字が上部に並ぶが、そのタイトルがやたら長い。 『フランシス・ケヴォーキアン プレゼンツ...
View Article夏の100曲 : ロータス・イーターズ 「心の痛み」
ロータス・イーターズは1983年に2枚のシングル盤がヒット、アルバムは翌1984年に発表された。こんなシングル先行型のバンドは、当時多くあった。チャイナ・クライシスもそうだった。 アルバムが発表されるたびに、先行したシングルが何曲、それ以外の新作が何曲くらいか? その比率を気にしていた気がする。 チャイナ・クライシスの2ndアルバム「Working With Fire And...
View Article夏の100曲 : ヴァージニア・アストレイ 「過ぎ去りし夏」
場所によるが、今週半ばにはセミの声を、一気にピタッと聞かなくなった。 太陽は日没が17時台に入り、朝夕の涼しい日々。 狂ったような暑さはなくなったものの、平日昼の温度は32~33℃を指していた。 でも、もう公園など野外にいても、ジリジリとした暑さはもはや無い。 たぶん幼い頃の夏はこんな具合だったんだろう。 こんな日を幼い頃は暑いと言い、今では涼しいと思っている、そんな感覚。...
View Article夏の100曲 : ヴァージニア・アストレイ 「いつかまた会える」
ヴァージニア・アストレイが国内発売された1983年10月。 このとき彼女は23歳、もとはクラシック畑の方だった。 奥深いヨーロッパらしさをたたえた彼女は、幼少時代にフルートやピアノのレッスンを受け、15歳からマンチェスターの音楽学校に通ったのだという。...
View Article夏の100曲 : ベック「モーニング・フェイズ」
たまたま出会えたベックの「モーニング・フェイズ」(2014年作品)。 この夏、初めて出会えた1枚。長引く梅雨が明ける手前まで、歩くたびに聴いた1枚。 つい聴き惚れてしまい、ひたすらループしつつ、下町を歩くと、街の匂いや姿とこの音楽が見事にシンクロする。 東京五輪決定後、次第に潰されてきた東京。それでも昭和の匂いを残した街。...
View Article夏の100曲 : 高中正義「渚・モデラート」
当時ビデオのCMで、よく流れていた1曲。 打ち寄せられる波の際に、砂で作られたサグラダファミリア。 まるで夏の終わりを物語るかのように、ひとけ無い渚、波とともに崩れ去る楼閣。 薬師丸ひろ子の薄く開いたくちびるには、パール系の薄いピンク。 印象的なピアノのイントロ、そして、後半に聴こえてくるコーラスに絡む、 高中正義とはっきり判るギターの音色。 ■東芝ビデオ「ビュースター」CM 薬師丸ひろ子...
View Article夏の100曲 : スティーヴ・ハイエット「渚にて」
夏らしく、秋でも聴けるレコード。 その1枚として、スティーヴ・ハイエットのアルバム「渚にて」もある。 初めてこのアルバムを知ったのは「LOO(ルー)」と言う日本キャパシティ発刊の雑誌上のことだった。1984年11月号の特集は「ボクたちの週末にバック・グラウンド・ストーリーを」。様々なジャンルの方に週末の過ごし方を取材したものが掲載された。...
View Article音盤日誌:ステルヴィオ・チプリアーニ「アントラ」
この一週間動いた分、心身の負担から珍しく昼まで眠ってしまった。 この一週間で気温は急激に下がり、夏もどこかに行ってしまった。 気が付けば9月も下旬、日没はすでに17時半を切りだそうとしている。 寒さのせいで、仕舞っていた長そでを出しては着て、厚手のくつ下を履いた。 たぶん、外はどんよりしている。。。であろう。 隙間からわずか見える数センチの視界、雨や風の音、子供の遊び声・・・...
View Article音盤日誌:ガゼボ「アイ・ライク・ショパン」
ガゼボの「アイ・ライク・ショパン」を初めて聴いたのは、1983年11月15日の深夜。 幸宏のオールナイトニッポンでのことだった。ロンドンと日本を行ったり来たりのトシ矢嶋さんが、当時最新のレコードから選んだ1曲が「アイ・ライク・ショパン」。この曲を聴くたびに、あの寒い夜、深夜放送を支えとして楽しみにしていた秋を思い出す。 この時点では、ガゼボの存在を何たるか?知っている人はほぼ皆無だったはずである。...
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